阿呆文庫

自作小説ブログ

【小説】佃煮

 佃煮を食べながら、幹部候補リストを読む。

 「佃煮、お好きなんですか」

 「ん。健康に良いと思ってね。ひとついるかい」

 「いえ、僕はサプリメント食品しか食べないので」

 そう言って彼は、おもむろにカプセルを胸ポケットから取り出し、バリボリ食べ始めた。

 ムキ。ムキムキムキ。と彼の筋肉は肥大し始め、スーツをビリビリと破いてしまった。

 「君。何をしているんだね」

 なおも私が佃煮を食べていると、彼はおもむろに佃煮の入った容器を持ち、窓から飛び出していった。

 幹部候補リストも無くなっている。

 「ふっ…そういうことか」