【創作】呪いのテレビショッピング
今週のお題「新生活おすすめグッズ」
テレビ「さあ!今回ご紹介するのは!新生活!オススメグッズでーす!」(拍手)
とあるアパートの一室に住むニートは、ぼんやりとテレビを眺めていた。
ボーっ………
別に新生活は始まらないが……
ぼーっとテレビを見る……
テレビ「いやー、それにしても!過ごしやすい季節になってきましたね〜!」「そうですね〜」
…………
テレビ「世間では、学校を卒業して新社会人になる方、あるいは新入生として学生生活が始まる方たちが大勢います!」「そうですね〜」
…………
テレビ「どうですか?懐かしいですね。我々も、そんな時がありましたね!」「そうですね〜」(笑い)
…………
テレビ「いや〜それにしてもムシムシしますねえ」「そうで
いや雑談なげぇな。はやく商品紹介しろよ。別に興味ないけど。
テレビ「それでは!!今回ご紹介する紹介は……こちら!!」
ブツン!
あれ。
チッ。なんで切れるんだよ、このボロテレビ。
リモコンリモコン………どこだよ……
ふと、テレビ画面を見る。
真っ暗な画面に映る、自分の顔。髪もヒゲもボーボー。頭も顔も、最後にいつ洗ったのか思い出せない。
くそっ、いらつくぜ……
パチンっ!
あ。テレビがついた。
テレビ「さあ!いかがでしたでしょうか!お電話!お待ちしております!」「そうですねー!」
あーあ。見逃しちゃったよ。なんだったんだよ。
テレビ「お電話鳴り止みません!!」「そうですね!!」
あ、リモコン、こんなとこにあったのか。もういいや。チャンネル変えよう。
ピッ
あれ?
ピッ
変わらない。電池切れか?
テレビ「さあ…。いよいよ締め切りとなりました…」「そうですね…」
はあ……寝るか。ごろごろ。
テレビ「いやーそれにしても自堕落なニートですよねえ。生きる価値なし!って感じですよ」「そうですよねえ」
うるせえな、誰が……
…え?
テレビ「それでは、みなさん。やっちゃいましょうか!」「そうですね」
玄関が開き、屈強な男たちがなだれ込んできた。
うわああああああ!なにをする!!やめろおおおおお!!
えっさ ほいさ えっさ ほいさ
えっさ ほいさ えっさ ほいさ
えっさ ほいさ えっさ………
その後、このアパートはワケアリ物件となり、新生活を始める学生や社会人が殺到したという……。