一日一虚

自作小説ブログ

今日の虚構

汚れている 専属ミュージシャン 完全予約制

 汚れている。

 新品のギター、おろしたての衣装、サラサラのカツラ。

 すべて、過去になった。

 すべてが、もれなく汚れている。

 シャワーを浴びている間に、部屋の一切のものが黒く汚されている!

 専属ミュージシャンのこの俺は、これからライブだっていうのに。

 誰がこんなことを?いや、そんなことより、どうすればいい?

 「風呂から上がりたての、蒸気を発する専属ミュージシャンは素っ裸のまま立ち尽くしていた」

 なんつってな。ははは…

 ともかく、腹が減った。

 完全予約制、出前型イタリアン「ヴァカダステン」の、イカスミパスタを頼んでいたんだ。

 風呂に入っている間に、来たみたいだ。中央のテーブルに置いてある。

 とりあえず食うか。パカッ

 …なんだこれ、イカスミパスタなのにイカスミが全然ないじゃないか。

 ま、いいか。

技術的ミス 胡麻みそ 先住民族

 バリ!バリバリバリバリ!

 「よし!やっと完成だ!」

 「やりましたね!はかせ!」

 「人型ロボット」は突然走りだした!壁を突き破って外へ行ってしまった!

 「ど、どうやら、技術的ミスかなにかあったようだな…」

 「そ、そんな…。とりあえず、原因を調査します」

 ー1時間後ー

 ロボットが帰ってきた!

 「うっ!なんだこの臭いは!それにロボットの色がおかしい…?」

 「はかせ!原因がわかりましたよ!」

 「なんだ!」

 「性格のプログラムにエラーが起こったようで、勝手に書き換わってしまったようです!」

 「何!どんな性格タイプだ!殺人鬼とか大悪党の性格じゃないだろうな…」

 「いえ。胡麻みそを体に塗りたくる先住民族タイプになっているようです」

アジア エンジン性能 違法外国人労働者

 「はかせ!やりましたね!」

 「うむ!アジアで1番の出来だな!」

 「いやいや!世界1ですよはかせ!」

 「ぬわっはっは!そこまでではないわい!エンジン性能では世界に遅れをとってしまうわい!」

 「そんな!はかせと僕で作ったんですから、世界一ですよ!」

 「うーん…。わたしはともかく、君は違法外国人労働者だからなぁ…」

勝手がいい 尻拭いを 事故発生

 「勝手がいい」とは、どういうことか。勝手とは何なのか。勝つ手。勝利する手。便利な手。マジックハンド。

 マジックハンドがいい。ということなのか。マジックハンドにしやがれ!と言われたら、マジックハンドで生活しろ、ということか。尻拭いをマジックハンドでするのは骨が折れそうだ。あるいは、腕がつるかもしれない。
 
 マジックハンドにシンドバッド。もはや意味不明だ。微妙に韻を踏んでいるところが悩ましい。

 車の運転や、熱い味噌汁を飲むことをマジックハンドですることを想像してほしい。

 ああおそろしい。事故発生の予感しかしない。

 しかし、良いことを思いついた。ドラムセットを叩くとき、マジックハンドで棒を持たずとも、そのままマジックハンドで叩けば良いのである!

 つまり、それこそが、「勝手がいい」ということなのである。